BGMのテンポと時間感覚

BGMのテンポにこだわる

BGMに少しこだわりはじめると、
「うちは、フュージョンにしたんだよ。」
「クラシックだと雰囲気が出ていいね。」
という風にある程度ジャンルは気にして選んで頂いています。

ただ、クラシックにもベートーヴェンの「月光3楽章」のような曲もあれば、ショパンの「葬送行進曲」みたいな曲もあるわけで、ジャンルで選んでいたのでは範囲が広すぎますね。

そこで、ひとつ項目に加えて頂きたいのが「BGMのテンポ」です。

BGMのテンポを変えることによって、雰囲気のほかにお客さんの動きをコントロールすることができるのです。

飲食店では回転率を上げたい時と、ゆっくりくつろいでもらいたい時といろいろあるでしょう。
BGMのテンポを変えることによって、時間の認識が変わってきます。

同じ時間を過ごしていても、「もうこんなに経ったの」「まだ、これしか経っていないのか」という風に感じ方はバラバラです。

BGMのテンポをうまくコントロールしてみましょう。

でも、実際にテンポを変えてお客さんの動きが変わった事例はあるの?
ありますとも。いるんですよ、そういう実験をする人が。

BGMのテンポを変えると食事のスピードが

BGMのテンポを変えるとどのような変化がお客様に現れるのか。
非常に興味深いところですね。

1982年にミリマンという人がある実験を行っています。
スーパーマーケットでテンポのゆっくりなBGMとテンポの速いBGMを流して、お客さんが店内の2点間を移動する時間を計るというものです。

その結果、テンポのゆっくりなBGMの時は127.53秒、テンポの速いBGMの時は108.93秒となりました。

この結果に気を良くした(かどうかは分かりませんが)ミリマンさんはカフェで食事のスピードが変わるのかという実験もしました。

1分間に口へ運ぶ回数を計測したのです。
すると、テンポが速いBGMの時は4.4回、テンポが遅いBGMの時は3.83回という結果になりました。

これらを通して言えることは、テンポによってあらゆる行動のテンポも同じように影響されるということです。
テンポが速くなるとお客さんの動きが早くなり、落すお金は減るかもしれません。
でも、どんどん回転をあげていきたい場面ではそれもまた吉と出るでしょう。

20秒の感じ方

「20秒たったら手を挙げてくださーい!」
(別に手じゃなくてもいんですが)

これ、テンポの実験の時にやったのですが結構あたってました。
だいたいでいいですよ。15秒とか25秒じゃなければ。

でも、音楽と一緒になった途端に崩れます。
音楽に自分のテンポがかなり影響されるんですね。


実験では差がつくように、遅いテンポでは=35くらい、速いテンポでは=185くらいで実験しました。

速いテンポの音楽を聴いた時は概ね20秒(もしくは少し早い)で「はいっ」と手を挙げる人が多かったです。
しかし、遅いテンポではそうはいきませんでした。

遅いテンポの音楽を聴きながらでは、25秒、遅い人では30秒くらいで「はいっ」(あくまで、はいっ)と手を挙げた人が多かったのです。

まとめますと、
同じ20秒を過ごしたを思わせるには遅いテンポの音楽はより時間がかかるということです。
速いテンポの音楽は多くの情報を詰め込むので時間が短くて済みます。
遅いテンポの音楽は情報を詰め込むのが遅いため、その分時間もかかります。

と、こんな風に考えることができるでしょう。

ただし、「どちらが満足しましたか?満喫しましたか?」という質問には……。
音楽心理学の世界はそんなに簡単じゃありませんでした。


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