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BGMの心理学 vol.044-2008.4.11号
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こんにちは。
音環境コンサルタントの齋藤です。
「今の彼女の声なんだけど、前の彼女の声とすごい似ててさ。ときどき、
電話でドキっとすることがあるんだよね」
こういうことは珍しくないケースです。
どう、「ドキっ」とするのかは置いておいて、
無意識のうちの判断材料として「声」は重要なポジションを占めるという
よい例でしょう。
心地よい声は、ビジュアルよりもずっと脳に届きます。しかも、長期に渡って。
しかし、それを意識化できる人は多くはいません。
なんとなく……、そうなんとなく声が似てしまっている。
そして、「ドキっ」っとしてしまっている。
意識させることなく、相手の心を捕らえてしまう武器――声。
このメールも文字ではなく、声でお伝えしたいくらいです。
ときどき、音声配信にしてみたらおもしろいかもしれませんね。
ということで、「オトナの声美人計画」の特別ページに監修役の齋藤翔先生との
スペシャル対談をアップしました。
帝国ホテルにて収録した特別対談です。
もう、お聴きいただけましたよね。
「朝晩聴いています。次回もすごく楽しみです。」
「三つのポイントがわかりやすかったです。」
「音声のお陰で声に対する意識が薄まることがありません。」
これはほんの一部ですが、うれしい感想をたくさんいただいております。
ありがとうございます。
次回も楽しみにお待ちください。
「オトナの声美人計画」
http://otokan.com/url/motegoe.html
前書きはこんなところで、今日も濃い内容でお届けします。
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■有楽町のマルイに行ってきました
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“五感”で感じるおもてなし。
これはマルイの新しいコンセプトです。
その一つの試みとして「BGM」に力を入れ始めたようです。
マルイのホームページ(BGM特集)
http://www.0101.co.jp/yurakucho/bgm/index.html
快適なショッピングの空間を実現するために、「音の空間」に徹底的に
こだわったのだとか。
どんな雰囲気なのか気になりますよね。
ということで、行ってきました。
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買い物なんてまったくする気もなく、徹底的に音を感じることに
集中しました。
1Fのエントランスはそれはすばらしく、音楽を忘れてしまうくらい
ビジュアルに圧倒されました。(いきなり、音楽を忘れるとは)
気を取り直して、上へ。
各フロアごとにテーマが決まっており、コンセプトに合わせたBGMが
セレクトされています。
各階をぐるっと周ってまず思ったことがあります。
それは、「ショップ別のBGMが流れていないこと」です。
普通、集合型のショッピングモールでは各テナントごとに
BGMを流していますよね。
隣の店を気にせず、大音量で音楽を垂れ流ししている店も
あったり、なかったり……。
イオンに代表されるショッピングモールでは、どこからの音楽か
もはやわからないくらい、音に汚染されています。
それが、有楽町のマルイでは完璧に「統一」されているのです。
1F:自然な華やかさ、爽やかさを感じる極上のボッサ
2F:オトナの女性のための、洗練されたクラブミュージック
3F:流行の先端、ヌーヴェルポップをミックスしたヤングミュージック
4F:オーセンティックでモダン。極上のラウンジ、ホテル・コスト
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……といった具合に。
各階で「統一」されたBGMに徹していて、そのフロアならどこのお店でも
同じBGMが流れているのです。
だから、そのフロアにいる限りどこにいってもコンセプトにあったBGMが
聴けるという具合です。
音を垂れ流ししているショップなどありません。
買い物をしていても、いつものあの雑然とした音はそこにはなく、
どのフロアでもコンセプトに合った「心地よさ」が保たれていました。
そして、驚いたのはそれだけではありませんでした。
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ずいぶん歩いて疲れたので、ふとエスカレーター脇のベンチで一休み。
すると、なんだか川のせせらぎのような音が。
そう、休憩する場所にはリラックスできるよな環境音楽が流れて
いたのです。こういう配慮はまさにプロフェッショナルです。
じっくり聴きこむ音楽もいいですが、さりげない無意識に響く音楽
――それがBGM――もいいものです。
有楽町のマルイに行かれる際にはぜひ音楽にも耳を傾けてみてください。
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■良質な音楽をどんどん聴こう
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音楽はときに人生までを変えてしまうことがあります。
その一人にドクターこと、大脳生理学の研究者で知られる佐藤富雄先生が
いらっしゃいます。
佐藤先生は20歳のときに、何の先入観もなく聴いたチャイコフスキーの
『白鳥の湖』に震えるほどの感動を覚えたそうです。
それまでに耳にしたものとはまったく違う、迫力、音色、構成。
「音楽ってなんてすごいものなんだろう」と、その音楽が頭から
離れなくなってしまったそうです。
今では、音楽と脳の研究を進めるほどです。音楽がなければ、
なんて味気ない人生だっただろうと振り返っていました。
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音楽で感動して幸せを感じると、脳が元気になります。
「心身が快の状態」を作るには音楽が最適といいます。
それに一番よい方法は、「好きな音楽」を聴くということです。
音楽は好みに左右されるところが強いので、これなら誰でも元気に
なれるというような音楽を選ぶのは無理でしょう。
しかし、ジャンルを問わずに脳が元気になる音楽があります。
それは、子どものころに親しんだ音楽や、良い思い出とリンクする
音楽です。
それらの音楽を聴けば、良い思い出を再現し、一気にその場所まで
連れて行ってくれることでしょう。
私自身も、ウルトラマンの音楽を聴けば、単に「ウルトラマンかっこいいなあ」
という感情のほかに、「優しい母がいつもかけてくれたレコード」という思いで
いっぱいになります。
レコードの針が駄目になるので、絶対に自分でかけさせてはくれませんでしたが。
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ただ、音楽にも「質」というものがありますので、好きならなんでも
よかんべ、というわけにはいきません。
食事と一緒で、好きだからといって毎日マックでは健康を維持するのは
難しいはずです。
好きな音楽がオーガニックフードなら良いでしょうが、そんなに
うまくいくものではないですよね。
耳は好きな音だけを聴くことができる機能を持っていますが、
音の振動は伝わっています。
質の高い音楽を選択することも、人生を快適にする方法かもしれませんね。
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■編集後記
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イルマというピアニストを知ってますか?
「冬のソナタ」の挿入曲としても知られており、
実力あるピアニスト&作曲家です。
なかなか、繊細なメロディーを奏でるピアニストですね。
夜に聴くには最高です。
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発行元:FERMONDO(フェルモンド)
発行責任者:齋藤 寛(音環境コンサルタント)
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Mail:info@otokan.com
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