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BGMの心理学 vol.040-2008.1.24号
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こんにちは。
音環境コンサルタントの齋藤です。
少し間があいてしまいました。
最近はBGMのプロデュースをしたり、本を出版される方からの
取材を受けたりしていました。
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■クラシックを聴くと頭が……
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「クラシック音楽」と聞くとどんな印象を持つでしょうか?
・難しい
・固い
・高級
・インテリ
・眠くなる
・理解ができない
・どれも同じに聴こえる
・かつら
……、と最後のはいいとしてこんなイメージを持っている人も
多いことでしょう。
なぜなのでしょうか。
これは私の推測ですが、「クラシックがそもそもそうだから」。
若干、意味不明な回答ですが、やはりそう思うところがあります。
クラシックは構造的に難しいし、高級な音を奏でるし、時には
眠くなるし……。
かつらの人が多いし。
……。
そんなクラシック音楽ですが、あまり馴染みがない人にも
ぜひ聴いてもらいたいと思います。
それは、他のジャンルの音楽にない学ぶ点が多いからです。
例えば、バッハ。
好きな音楽家の一人ですが、彼は対位法という複雑な音楽技法を
使って作曲しています。
対位法とは、複数の旋律が複雑に絡み合っていく音楽のことです。
この対位法で作られた音楽を集中して聴いていると、
頭の中がほどよくかき回される感覚になるのです。
主題がまず、右手で出てきて数小節後には左手にバス旋律として
現れる。
それが複雑に絡み合ったと思ったら、今度は中声部に主題が……。
そして、それらの主題が合わさって、終結部へ。
みたいな、感じです。
去年流行った脳トレみたいなもので、ある種の快感を味わえるとでも
言いましょうか。
聴くだけで、脳が活性化される感じがしますよ。
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勉強するときや、集中して何かアイデアを出したいときに
音楽を聴くことはとても有効な手段です。
学生時代にテスト勉強するときにはバッハの「フーガの技法」を
流していました。
本当に不思議なくらい、雑念が吹き飛んで勉強に集中できるのです。
いまだになぜかはわかりませんが。
そんな疑問に応えてくれる本を見つけました。
頭がよくなるクラシック (樋口 裕一)
⇒ http://otokan.com/url/higuchi.htm
著者によれば、「クラシックを聴く人は頭が良い」らしい。
本当かどうかは定かではありませんが、本書を読むと「確かにそうだな」と
思うところもあります。
クラシックを聴いたから頭がよくなったのか、
頭が良い人がクラシックを聴くのか。
どうなんでしょう。
今、このメルマガを書きながらラヴェルの「亡き王女のパヴァーヌ」を
聴いています。
う〜ん、確かに頭が良くなった感じがしてきた!
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■音楽のテンポに人は影響される
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BGMを選ぶときに「テンポ」はとても重要な要素です。
なぜか。
それは、テンポによって人の歩くスピード、食べるスピード、感じる時間
尺度が変わるからです。
例えば飲食店。
速いテンポの曲と、遅いテンポの曲ではどちらが食事のスピードが
速いと思いますか?
そう、速いテンポの曲です。
速いテンポの曲のほうが自然と食事のスピードも上がってしまうのです。
それだけではありません。
食べるスピードが上がっても本人はそう感じていないのです。
音楽は無意識の領域に働きかけますので、本人は気付かないのですね。
分かりやすく言うなら、同じ一時間を味わってもらうのに、速いテンポの曲なら
50分くらいで一時間と感じるわけです。
逆に、遅いテンポの曲なら一時間10分くらい経たないと一時間と認識しないと
いうことです。
音楽にはこんな力もあるのですね。
さらに、色彩心理学とも組み合わせるとより効果的です。
「赤」は暖色であり、食欲を刺激する色です。
同時に、飲食店では「回転率を上げる色」ともされています。
だから、マクドナルドはあの色なんですね。
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■編集後記
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「クラシックベスト50」というCDコレクションを買ってしまいました。
個人的には好きな作曲家と好きな演奏家の組み合わせを楽しんで
買うのが好きなのですが、「一家に一台」的な感覚でつい。
いろいろ聴けるのはいいですが、演奏家がほとんど同じなので、
それは痛いところです。
グラモフォンの1000円CDというのが気になりますね。
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発行元:FERMONDO(フェルモンド)
発行責任者:齋藤 寛(音環境コンサルタント)
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Mail:info@otokan.com
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