聴覚優位・視覚優位

BGMの効果――その一マスキング効果

「なぜ、BGMをかけるのですか?理由は何?」

こう訊かれてすぐに答えられますか。

BGMというのはお店の印象を決めるとても重要な要素です。


音楽によって、簡単にお店の雰囲気をコントロールできてしまうのです。

お店のコンセプトに合ったBGMを選ぶことによって、売上げもアップするし、リピーターも増えます。
BGMを選ぶ際は、ただなんとなく選ぶのではなく、正しくBGMの効果と目的を理解した上で選びましょう。

今まで見えていなかったお客さんの動きが見えてくるかもしれません。

それでは、BGMの効果を一つ一つみていきましょう。

まず、BGMの効果の一つとして「マスキング」が挙げられます。
ある音(騒音)をある音(BGM)で隠してしまおうということです。
では、どのような時に「マスキング」が起こるのでしょうか。

二つの音の周波数が近い時にそれは起こります。
もっと細かく言うと、周波数がまったく同じどうしではなくて、少し低い周波数の音がそれより少し高い周波数の音を「マスキング」します。
音量はもちろん、大きい音が小さい音を「マスキング」します。

家庭でも「マスキング」効果が体験できます。

ドライヤーや掃除機を使っているときがわかりやすいと思います。。

電子ピアノがあるといいのですが、ピアノの音を掃除機の音より少しだけ小さくします。そして、一番高い音から低い方に向かって弾いていってください。

どこかで、聴こえづらくなる場所があるはずです。

それが「マスキング」効果です。


では、実際の現場ではどのようにこの効果を使えばよいのでしょうか。

・お店が大通りに面していて車の騒音がうるさい
・継続的に発せられる機械音がうるさい
・タクシーやバスなどの商業車で車外音を小さくしたい
・隣との席が近く、話し声が聞こえてしまう

などなど、騒音と感じる音がある場面では工夫次第ではとても雰囲気が変わります。BGMの効果として「マスキング」効果は必ず憶えておきましょう。

その二――イメージ誘導効果

BGMの効果の二つ目は「イメージ誘導効果」です。

お店の雰囲気を明るくしたり、高級感を醸し出したり、子供が多い場所では楽しい雰囲気を作ったりといった具合です。

BGMの効果の中では中心的な目的となると思います。
有名デパートでの意識アンケートでも次のような結果が出ています。

「落ち着いた雰囲気ややすらぎ感を演出する」
「イメージアップにつながる(良い音楽は)」
「くつろいで買い物ができるように」

多くの人がこのように、BGMの効果をプラスに考えて使っているようです。
であれば、しっかりと目的を持って選曲し、場面や時間によって的確にBGMを使い分けることは言うまでもありません。
そして、それは売上げという形で現れるのです。

お客さんは音楽を聴きにお店にやってくるのではありません。(稀にそういったケースもありますが極めて少ない成功例です)
やはり、買いたいものや食べたいものがあって来店されるわけです。

ということは、BGMの印象は顕在意識で捉えていることは少ないのです。

無意識のうちになんとなく
「いい雰囲気のお店だね」とか「落ち着きがあっていいね」と
考えているわけです。


その無意識の世界はとても怖いです。でも、逆に考えれば、気づかないうちにお店のファンになってもらえるということです。

店長さんは気分でBGMを変えてはいけませんよ。BGMの効果というのは大きいですから、しっかりとしたコンセプトの中で使いましょう。

私のお店の雰囲気はこういう感じがいいというのがあるでしょうから、それにあったBGMを選ぶようにしましょう。
BGMの効果クチコミなどでその効果がじわじわときますよ。

ずっと同じBGMでは飽きてしまうというのであれば、時間帯によって少しテンポを変えるのもよいでしょう。


飲食店ではランチタイムとディナータイムでは同じBGMとはいきませんよね。
食べるスピードも変わりますし、スタッフの動きも違ってくるでしょう。
的確にBGMを選びたいものです。

その三――感情誘導効果

BGMの効果、三つ目は「感情誘導」です。

昨日の「イメージ誘導」に続き「感情」を誘導する働きです。

BGMの効果の中では、一番有効的な使い方でしょう。
「感情」を誘導することができれば、様々な場面で思い通りに人を動かすことができるわけです。

主に、病院などでは患者さんの不安を和らげるためにリラックスしたBGMを流したりします。音楽を聴いていることで不思議と不安がなくなるのですね。

BGMのテンポや曲調によって、感情が変化することが実験でも分かっています。

スローなテンポでゆっくり落ち着いて買い物をしてもらうのか、早めのテンポで回転率をあげるのか、店長さんは悩むところでしょうね。

どのような感情に導きたいかを明確にすれば、それにあったBGMで実現可能でしょう。


無意識の領域に働きかけるBGMでもあるわけですから、気付いたら良い気分になって思わず買ってしまったなんてことあるかもしれません。

お客さんの立場になって、どのような雰囲気を期待しているのか、どのような感情になりたいかなどよく考えてみるといいと思います。

「買う気はなかったんだけど、買ってしまった」

こんな経験ありませんか?

BGMを変えることによって、気持ちよく買い物をしてもらったり、おいしく食事をしてもらったりすることができるわけです。

人は「感情の生き物」と、よく言われます。

理屈ではなく、「なんとなく」ということが多々あります。

音楽は無意識の領域に働きかけます。


BGMを効果的に使って、あなたのビジネス、人生を快適なものにしてください。


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