BGMの音質ってどう？

2006-07-02 (日)
音楽心理学とBGM

こんにちは。音環境コンサルタントの齋藤寛です。

「スピーカーはやっぱり、B&Wでしょう」
「アンプはマランツだよな」
「ヘッドフォンはゼンハイザーで決まりでしょう」

何の話かわかりますか？

結構マニアックな世界なので、よっぽど音質にこだわりがなければ分かりませんよね。
上に挙げたメーカーはとても値が張りますけどね。

ヨドバシカメラに行くと、オーディオルームがあってスピーカーをセレクタで選べるようになっています。一日いても飽きません。先日はヘッドフォンを数時間も視聴して選んでしまいました。

BGMの音質を気にしたことがありますか？
小さな飲食店やセレクトショップなどは業務用ではないスピーカーも設置できるためとても音質の良いスピーカーを設置することも可能ですよね。リスニングルームを構築するかのように。

大型のホームセンターなどはどうでしょう？

店内放送も兼ねたスピーカーでBGMを流しているところがほとんどでしょう。
アンプやセレクタの性能にもよりますが、音質を追求するには限界もあります。

できる限り音質が良いものを使って欲しいのは山々ですが、BGMとは本来進んで聴く音楽ではないので、オーディオマニアのような極限のこだわりを持つ必要はないと思います。
でも、AMラジオのような音質ではダメですよ。

テレビでCDを聴いたことありますか？
私の友人はオーディオがないので、よくプレステ2でCDを聴いていました。

普段、CDはテレビのスピーカーでは聴かないのでやはり違和感がありましたね。
単純に、音質が悪い。どうしても気になります。

でも不思議なことに、そのテレビで映画を観るときは音質は気にならないんですね。
むしろ、「おお、すごい迫力だ」なんて、適当なことを言ったりもします。

で、CD単体で聴くとやっぱり音質に不満があるのです。
なぜでしょう。

これは、実際に実験結果としても証明されています。

意図的に音質を悪くして、単独で聴いた時と映像と一緒に聴いた時では印象が違うのです。
映像が加わることによって、音質の劣化をカバーしていたのです。視覚情報が聴覚情報を補完するとでも言いましょうか。

単純に、人間は二つのことを一緒に処理すると曖昧になるってことにもなりますが。
良い音楽を音質の優れたオーディオで聴く場合は、目を閉じて聴きたいものですね。

それでは、また。

この記事を書いている人

フェルモンド齋藤寛Twitter:@fermondo: 齋藤寛のFacebook（お気軽にどうぞ）
新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング（音で心を整える）をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある

コメント数:8

ともみ 06-07-03 (月) 8:46

なるほどねーーーーやはりＣＤは音楽専用機器で聴いたほうがいいですよね。
音環境といえば、先日、デジピについていたＹＡＭＡＨＡのヘッドフォンが壊れてしまい、間に合わせで、ＳＯＮＹのステレオ用ヘッドフォンをつけて弾いてみたのですが、音の聞こえ方がいつもと違ったです。ウォークマン用の小さいイヤホンも全くデジピには合わなかったです。やはりＹＡＭＡＨＡのデジピ用ヘッドフォンはデジピの音が生ピアノらしく聞こえるように作られているのかしらね。音楽を聴くのも、その目的や聴くジャンルにあわせて機器も選ぶ必要があるということですね。

匿名 06-07-03 (月) 9:14

ともみ様
デジピってヘッドフォンで聴くと少しがっかりしたりします。やっぱり大音量で弾きたいところです。SONYはヘッドフォンメーカーとしてはとても優秀なんですよ。私も昔はSONYを使っていました。いい音質を求めるときりがありませんね。最近はいわゆるドンシャリには飽きて、フラットな音質でゆったりと聴くのが好みです。若いころは油っぽい焼肉が好きだったのが、だんだん湯豆腐のおいしさがわかってきた、と言ったところでしょうか。

匿名 06-07-04 (火) 8:56

齋藤さま、こんばんは。
（貴殿のコメントより）「映像が加わることによって、音質の劣化をカバーしていたのです。視覚情報が聴覚情報を補完するとでも言いましょうか。」
私くしは、20年前にその逆の試みを検証し商品化した「ビデオテープ」があります。（今では一般化されておりますが）
貴殿の「コメント」欄に不謹慎な内容を記載することに、はなはだ恐縮に存じますが、お許し下さい。
AV（アダルト）関係で、ストーリーの内容（人の声・動きやBGM）により迫力や臨場感を出す手段（法）として、録音をステレオ・サラウンド化（疑似ですが）し、敢て、「できれば、ヘッドホーンでお聴き下さい」と表紙（カバー）にネーミングすることをアドバイスしたところ、大ヒットした作品があります。
そのメーカーは、この手法により売り上げが10倍になったとか！？
（ご参考迄）
また、「音」は薬（音薬）にもなりますが、使い方しだいでは殺人兵器にもなりかねません。
正しく「音」は“魔力”であると思います。
齋藤さまの「記事」を読まれる（た）皆様には、真の「音楽の効用」をご理解戴いておられる思います。
これからも貴殿の掲載「記事」に期待（楽しみに）しております。
根本直樹

オリオリ 06-07-04 (火) 22:12

私もデジタルピノとヘッドフォンの相性が悪くて現在７個くらいヘッドフォンあります　メーカーの違いよりもプラグの金属の特性の違いなのかしら？と思いました
２４ｋメッキだと音がクリアに聞こえます
ローランドのデジピなのですが純正のものよりソニーとの相性がいいみたい
でもやはりピアノは生音に限ります！！

匿名 06-07-05 (水) 6:50

根本様
聴覚で視覚をカバーするということですね。おもしろそうです。聴覚と視覚の関係は密接でいろいろと相互作用がありますね。
そうそう、殺人兵器の話、ドキッとしましたよ。想像するだけでも嫌ですよね。

匿名 06-07-05 (水) 6:53

オリオリ様
ヘッドフォン7個ですか。
すごいこだわりようですね。
ソニーは評判がいいですからね。ヘッドフォンはいろいろと味付けがメーカーによって違いますから、たくさん持っていると楽しいですね。数年後、好みが変わっていたりするかもしれませんよ。
でも、生のピアノが一番ですよ。やっぱり。私は、ベヒシュタインが好きですね。

オリオリ 06-07-05 (水) 20:51

齋藤さんはベヒシュタインがおこのみですか？私の師事している先生のピアノもベヒシュタインですょ　スタインウエイもですが特に高音が天にはしごをかけるようなかろやかな音ですよね　私は地元のホールで弾いたベーゼンドルファ　インペリアルが忘れられません　あの黒い黒鍵の弦との共鳴のせいか高音がとってもまろやかですし思い通りのピアニシモが弾けました
ショパンの幻想を弾きました　真っ赤なドレスでね★　自宅のピアノはＸ支柱のヤマハのアップライトですがグランド並みに音がおおきく響きます　アンサンブル機能も付けたのでデーターを買えばブーニンが目の前で弾いてくれます　ペダリングばかり見てます！！（ё_ё）キャハキャハ

匿名 06-07-06 (木) 8:07