バッハ効果
こんにちは。音環境コンサルタントの齋藤寛です。
私は、音楽を聴いて集中力を高めるということをよくやります。
シーンとしているより音楽があったほうが集中できるのですね。
執筆や勉強など集中しないといけない状況で、必ず聴く曲があります。
それは、
バッハの「フーガの技法」です。
この「フーガの技法」はバッハ最後の作品で音楽史上例をみない高度な技術を用いて作曲されたクラシック音楽最高の一曲と言われています。
「フーガ」とはある主題を何度も何度も繰り返し、複数の声部が複雑に絡み合ってできているとても高度な作曲技法です。
なんだか、この曲を聴いていると不思議と頭の中が浄化されて驚くほど集中できたものです。
ぜひ、聴いていただきたい一曲です。
実は、この「フーガの技法」は未完に終わっています。バッハの死去により完成されなかったのです。
では、どこの部分で終わっているのか。
この曲の最後のテーマはなんと「B-A-C-H」(バッハ)という音が使われています。
「B-A-C-H」とは「シ♭-ラ-ド-シ」です。
このテーマが用いられた途中でバッハは死去しました。
楽譜の途中にはバッハの次男がこう記しています。
「対位主題にBACHの名が持ち込まれたこのフーガの途中で、作曲者は死去した」
私が保有しているグレングールドのCDでは最後は突然終了します。
なんとも不気味な感じがしますが、死と向き合ったバッハの訴えが伝わってくるような気がします。
このような、歴史に残る大作というのは何か影響を与え続けていくのでしょう。
ちょっとクラシックは……と思っていても、こんなエピソードが頭に入っていると少しは聴く楽しみが増えるかもしれません。
それでは、また。
この記事を書いている人
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新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング(音で心を整える)をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある
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