好きなことは記憶力を高める
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フェルモンド齋藤です。
脳の中で感情を司る「扁桃体」という場所があります。
ここは、人が感じる「うれしい」「楽しい」「好き」「悲しい」などの感情を、
発信する場所です。
そして、その隣には記憶を司る「海馬」があります。
そのため、扁桃体から快の感情が発信されると、
海馬もそれに伴って活発に活動し、記憶が強くなります。
私が中学生の頃、同じクラスの女の子が学校でシューベルトの即興曲を
弾いてくれたことがありました。
当時の私にとっては衝撃的な演奏であり、一瞬にしてその音楽に
惹かれました。
「どうしても、この曲が弾きたい」
そう強く思い、次のピアノレッスンで、
「先生、どうしてもシューベルトの即興曲が弾きたい」
と、お願いしました。
先生は、少し驚いていましたが、
「じゃあ、がんばって弾いておいで」と言ってくれました。
当時の技術ではどうみても難しいだろうと先生は思ったはずですが、
どうしても弾きたいという気持ちが、今までにない練習量をこなしました。
そして、一週間後8ページにも渡る楽譜をすべて暗譜し、
先生の前で弾きました。
「ひろちゃん、どうやって練習したの?すごいねー」と、
それはそれは驚いていました。
今思っても不思議なのですが、
考えられるのは「どうしても弾きたい」と思う、気持ちだったのだと思います。
弾けば弾くほど、気持ちよくなり、楽しくて仕方がないので記憶もものすごい勢いで
定着していく。
あの曲を普通に先生に与えられた課題だとすると、とってもではありませんが
仕上げることはできなかったのだと思います。
人間は楽しくて仕方がないとき、すごい底力を発揮するものなのですね。
この記事を書いている人
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新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング(音で心を整える)をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある
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