渋滞にはまると音量を下げてしまう理由
こんにちは。
フェルモンド齋藤です。
心理的にしっくりくる音楽というのは、状況によって異なります。
同じ人でも、時間と場所、それから「何をしているか」によって、聴きたい音楽は違ってきます。
人間は、音楽の複雑さと行動や思考の複雑さが脳を占領し合ってしまうため、
複雑な作業をしているときは、比較的簡単な音楽を聴くことでバランスを保ちます。
このことは、1976年のコネチニとサージェントの実験からも実証されています。
一つおもしろい事例を出しましょう。
それは、渋滞にはまったときです。
多くの人が、オーディオのボリュームを無意識に下げますね。
あれは、渋滞という状態が普段よりも脳の処理能力をより使うので、自然と音楽からの刺激を
下げてバランスを保っているわけです。
無意識の行動はこんな、メカニズムになっているのですね。
この実験は、さらに説得力を増すために「カーゲーム」でも試されました。
覚醒的な音楽と非覚醒的な音楽の二種類を聴いて、どちらがよりラップタイムが速いかを
計測しました。
その結果、覚醒的な音楽(複雑)はラップタイムが遅くなりました。
渋滞のメカニズムと同じですね。
これには性差もありそうです。
男は、複数の作業を平行して行うよりも、一つのことに集中して取り組むのが得意です。
逆に女性は、料理をしながら、子どもをあやしたり、メールをしたり、洗濯をしたりと平行して作業を
行うのが得意ですね。
男性は、複雑な作業をしているときにはあまり複雑な音楽は聴かない方がよさそうです。
この記事を書いている人
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新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング(音で心を整える)をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある
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