新入社員の五月病を救え!BGMにできるメンタルヘルスケア
USENさんのプログラムガイド「WithMusic」で『BGMのギモン』と題して連載をしています。
vol.05のテーマは「新入社員の五月病を救いたい」(笑)。
BGMも五月病を救わなければならない事態になってきました。
新入社員が入ってくるこの時期。どうしても、一ヶ月を過ぎる頃には、当初の希望溢れる雰囲気や熱い気持ちもぼちぼち薄れる者も出てきます。
今回はメンタルヘルスケアという意味も込めて、BGMにできることを探ってみました。
適度なリズム感を持って。時間帯によって音楽を変えることで脳にメリハリを。
職場のメンタルヘルスケアにおいて音楽を利用することはとても有効です。
音楽療法の世界でもストレスの軽減やうつ病の改善などに効果があることが分かっています。
音楽がうつ病を改善できるのは、前向きな気持が失われている状態から「快の感情」を生み出すことができるからです。
ベータエンドルフィンやドーパミンといった神経伝達物質を分泌することで脳の機能を改善することができるのです。うつ病とはこの神経伝達物質が低下し、前頭前野に機能障害が起こっているという状態です。無音だったオフィス内にBGMを加えるだけで、ホルモンを分泌させ心身のバランスを取ることができるでしょう。
では、うつ病にはどんなジャンルの音楽が良いのでしょうか。
前向きな気持ちを作っていくには、ライトクラシックやポストクラシカル、ボサノヴァといったジャンルでミドルテンポの音楽が良いでしょう。
リラックスさせたいといっても、そこはビジネスの現場ですから、ヒーリングカラーが強すぎても作業効率が落ちてしまいます。
適度なテンポ感、リズム感、明るさを持つ音楽を選ぶ必要があります。これらの音楽が持つ特徴が感情を司る「扁桃体」を刺激して、心地良い感情を生み出し前頭葉の機能を活性化させることができるのです。
うつ病の特徴として、脳にメリハリがないということがあげられます。
今回のような五月病から救うには多少のメリハリが必要です。かといって、BGMを激しくするのは好ましくないので、時間帯によって音楽を変化させて気持ちの切り替えを意図的に行うのが良いでしょう。
朝は爽やかに小鳥のさえずりが交じるようなクラシック音楽で気持ちをリフレッシュ。昼過ぎは少し眠たくなるのでアップテンポの楽曲を。軽快なリズム感も欲しいのでコンテンポラリーな音楽もおすすめです。夕方は少し、副交換神経を意識できるようなテンポも抑えめのピアノコンピレーションなどを聴きながら、気持ちの整理をしましょう。
音楽そのものが脳を活性化させる効果があるわけですが、さらに時間帯でメリハリをつけることでより軽度なうつ病症状に効果を感じられるはずです。
いかがでしたでしょうか。
後半のテーマでは「記憶にないのにお洒落な印象が残るわけ」という記事も書いています。
また、実際におすすめするチャンネルもセレクトしています。
USENを導入されている店舗さんはぜひ、お読みくださいね。
この記事を書いている人
- Twitter:@fermondo
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新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング(音で心を整える)をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある
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