無意識下で空間の印象を決めるBGM 宣伝会議「ブレーン2012.11月号」より
映像表現や空間体験のクオリティを大きく左右する要素が「音」。
コミュニケーションの中で音が果たす役割や音を使った体験デザインを3回の連載で綴りました。
無意識化で印象を決めるのがBGMの役割
何度も通いたくなるお店ってありますよね。どこがいいの?と言われても明確に答えられないけど、「なんとなく」という感覚でしかない。
そんな、経験もあるのではないでしょうか。
あえて、見つければ内装が凝っているとか、店員さんの接客が丁寧で雰囲気が良いとか、料理が美味しいとか、ありますよね。
そこで、「あの店は流れている音楽が最高」という評価をするお客さんはかなり珍しいのではないでしょうか。
もし、そこに気づいているとすれば相当な感性の持ち主。普通は店舗で流れているBGMなんて覚えていないものです。
人間は五感を総動員してその空間の印象を感じ取るわけですが、こと感情に関しては視覚よりも聴覚からの刺激の方が実は影響力が強かったり、また即効性があったりするのです。
同じ映像に異なる音楽を合わせた場合、その映像の印象は音楽が決めることになります。
それと同じように空間の印象は音楽が影響している部分が相当に多いのです。
また、音楽は感情えの影響力に加えて人間の時間間隔にも影響を与えます。
速いテンポの曲を聴いているときには、同じ一分でも長く過ごしたと感じることから、飲食店では回転率のコントロールをするのにテンポを意識します。
音楽はオーケストラでいう指揮者のようなもの。
すばらしい内装や料理の味をより引き立ててくれる存在なのです。
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この記事を書いている人
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新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング(音で心を整える)をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある
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