夜7時にすいてる寿司屋のBGM
こんにちは。音環境コンサルタントの齋藤寛です。
東京に引っ越してきてから、初めてお寿司を食べに行ってきました。
新潟よりは味が落ちるかなと思いながら。
そのお寿司屋さんは100円均一の回るお寿司。
外観はオレンジの光がほんのりで、ちょっとお洒落な感じ。
「おっ、回る寿司にしては高級感あるなあ」
これが、素直な感想でした。
そのまま、誘われるように店内へ。
気付けばよかったのですが、夜の7時のゴールデンタイムに席はまばら。
ホールは店員さんが一人でてんてこ舞い。
しばらく、ほったらかしだったので適当に座ってみたものの、目の前のレーンまでは寿司は回ってこない構造に。
「すいません、お客さんが少ないから今日はそこまで回してないんですよ」
「……。じゃあ、席うつります……。」(←少し後悔)
店内の薄暗い感じが、雰囲気作りではなく節約にしか感じられない……。
BGMまで節約か、と思わせるほど。
いや、節約ではなくてBGMはかかっていませんでした。
想像してみましょう。
夜の7時にお客がまばらなお寿司屋さん。
ホールにはおばちゃんが一人で「すいません、すいません」と。
BGMはかかっていない。
非常に、居づらい雰囲気でしたね。
こういう時、BGMは少し助けになるはずです。
飲食店に限らず、人件費を落とす為に人員を少なくしている小売業は多くなっています。
少ない店員でも店内を活気あるものにしなくてはなりません。
いわゆる、人以外で、空間を埋めていかなくてはならないのです。
それは、第一に「いらっしゃいませ」の声です。
そして、第二に気の利いたBGMでしょう。
この、「空間を埋める」という感覚。
とても大切です。
音楽は空気の振動ですから、空間を埋めるには物理的にも間違っていないわけです。
人件費もかからないBGMをもっと効果的に使ってみると良いと思います。
そのお寿司屋さん、BGMで少し活気が出ます。
次も暗かったら、アドバイスしてみようかな。
この記事を書いている人
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新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング(音で心を整える)をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある
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