同じ音楽でも聴くタイミングで感情が変わる
音楽は人の感情を一瞬で揺り動かします。
さっきまで笑っていたのに、テレビから急に流れてくる音楽に涙を流しそうになるくらい感動したり、
レストランのBGMが変わった瞬間に、その場の雰囲気がガラッと変わったりすることはよくあることです。
不思議なことに、同じ音楽を聴いてもそのときに生れる感情は一つではありません。
もっというと、聴くタイミングが違うと生れる感情も異なります。
去年バッハのフランス組曲を聴いたときには「悲しみや感傷的な雰囲気」を感じたのに、
今年になってあらためて聴くと、「短調の中にはも未来を感じる明るさがある」と感じたりと。
これは、至極あたりまえのことで、聴く人が同じでもそのときの心の持ちようで
音楽から生れる感情は変わります。
音楽は同じでも、あなたの心が変わったのです。
音楽と感情の心理学では、音楽を聴くことは「人生そのもの」と考えます。
バッハの音楽を聴くことは、バッハのメッセージだけを聴くことではありません。
そこには、聴く人の感情が存在します。
その感情は、今までの人生が投影されています。
だから、音楽を聴くこと=人生そのもの という風に考えるのです。
自分の感情を自分で感じたいときには、身を任せて音楽を聴いてみてください。
何か、心からのメッセージも一緒に聴くことができるでしょう。
どんな音楽がいいかって?
おすすめは、バロック音楽。
なぜかというと、現代の音楽理論の土台ができあがり、急激に音楽や楽器が発達した、
または生れたのがバロック時代です。
だから、音が素直であり、音楽そのものから、自分の感情が生れやすい。
ロマン派以降は音楽そのものの感情が強いので、自分の感情の変化を感じるのは
上級編の時代。
今日は、バッハのフランス組曲第2番 BWV813 ALLEMANDE(アルマンド)を弾きながら、
これからの物語を感じているところです。
音源も貼っておきます。
演奏はやはりグールドでしょう。
繰り返しに入る即興のモルデントがかっこいい。
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この記事を書いている人
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新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング(音で心を整える)をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある
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