ショパンのノクターンの楽譜
ショパンの楽譜といえば、多くの人がパデレフスキ版を使っていることでしょう。
バッハ、ベートーヴェン、シューベルト、シューマンなどヘンレ版は原典版としてとても
信頼されていますが、ショパンはパデレフスキ版を使っている人が多いようです。
ただ、有名なノクターンの遺作嬰ハ短調と、ちょっとマイナーですが私のお気に入りの
ハ短調のノクターンは、実はパデレフスキ版には収録されていません。
ワルツもそうなのですが、パデレフスキ版には「遺作」はないのです。
ということで、ショパンの遺作の楽譜が欲しいならやはり、ヘンレ版ということになります。
遺作を求め、今日は珍しくノクターンのヘンレ版を買ってきました。
現在練習中のOp.48-1 c-mollを見てみると、パデレフスキ版とヘンレ版ではかなり音が違います。
和音を省いているという次元ではなく、g-c の進行がh-c になっているくらい違います。
CDを聴いていても、多くのピアニストがパデレフスキ版で演奏していることが分かります。
ということで、ショパンを演奏するときはほとんどがパデレフスキ版を使っているのですが、
遺作の場合は仕方ないので、ヘンレ版を使うことにします。
余談ですが、パデレフスキ版でもエチュードのOp.25-6(有名な三度の難曲)は、
ほとんどのピアニストがパデレフスキ版を採用していません。
冒頭の二回目の三度の重音が全音で動くのか、半音で動くのかの違いなのですが、
多くのピアニストが半音で演奏しています。(パデレフスキ版は全音)
知っているところだと、マレイ・ペライアは全音で演奏している珍しい例です。
少々マニアックなところですが、興味のある方は聴いてみてください。
この記事を書いている人
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新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング(音で心を整える)をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある
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渋い。いいですね。
遺作のノクターンといえば、嬰ハ短調の方ですから、
ハ短調を弾いたのはなかなかオツですね。
私は好きですよ、この曲。