ピアノの練習時間について
大学の頃は一日8時間、10時間の練習というのが当たり前でした。
周りの学生よりも、技術が劣っていることを認識していましたので、
練習時間だけは負けてなるものかと必死に練習していたのを思い出します。
今はというと、もちろんそんな時間は取れるわけでもないので、
どうやったら効率よく練習できるか、という考えを持つようになりました。
世間にはいろいろなピアノ教本が出回っていますが、
強烈な本が一冊ありましてそこには、「練習しなくても良い」というような
ことが書いてありました。
え?ウソでしょう。
今までの練習時間はなんだったのかと思うほどの内容でした。
「練習しなくも良い」というのは、決して何にもしなくも良いというわけではなく、
無駄な練習(指を鍛えたり、長時間ハノンやチェルニーのみを弾く)を否定し、
もっと効率的な練習方法をしなさいというものでした。
読んでみると、まあ言っていることは分かりますが、
脳でどうやって理解しても、如何せん指が動かない……。
こればっかりは仕方ありません。
手首の運動や脱力を脳で理解しても、それだけでは弾けないなあというのが
最近の正直な感想です。
やっぱり10分でも20分でもいいからハノンやピシュナを弾いて、準備運動しないと
どうにもしっくりこないんですよね。
当ブログにも登場していただいた、カプースチンの第一人者川上先生も実は
ハノンで相当上達したそうです。
そのことを聞いて、またハノンに熱が入っている今日この頃です。
ハノンは白鍵のみで、意味がないという人もいますが、私は完全に準備運動として
使っているのでその効果は出ていると感じています。
あとは、バッハでひたすら練習すれば指もまた動くようになるかな。
それと、ひとつこれだけは大事だと思うのは、
「スコアリーディング」です。
横文字で恐縮ですが、要するに和声進行や調性などをしっかり把握して弾くということです。
当たり前だ、と言われてしまいそうですが、学生の頃は意外と無頓着に弾いていました。
大人になって、時間もないしどうやったらもっと効率よく弾けるかなと思ったときに、
スコアリーディングを徹底的にやると良いという本に出会いまして、それからというもの、
少しは譜読みが早くなったような気がします。
最初はハ短調で、その後平行調の変ホ長調で少し明るく。すぐにハ短調に戻り、
ドッペルドミナントを経てト短調へ……。
と、こんな具合です。
暗譜にも役立ちます。
これからはまじめに、楽譜をしっかりと読み込んでから練習することにします。
写真は、大学生のころの練習室です。
この壁、よくありますね。
この記事を書いている人
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新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング(音で心を整える)をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある
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