駆け込み乗車の原因は駅メロなのか
フェルモンド齋藤です。
本日、10月15日のスーパーモーニング(テレビ朝日)に出ました。
出ましたとはいっても、情報提供という形で電話取材を受け、その音声が流れた(?)かな。
オンエアを見てないのでなんとも言えませんが、おそらく流れた模様です。
どんな取材だったかというと、
「駆け込み乗車の原因は駅メロなのか」ということで、
駅メロが人間心理に及ぼす影響についてでした。
駅のベルが駅メロに変わったのは1989年。新宿、渋谷駅が最初でした。
当初は、ベルが不快感や警報的なイメージが漂い、駆け込み乗車を助長するとして、
ヤマハのクリエイターが依頼を受け、駅メロの制作に着手したのでした。
お年寄りにも聞こえる周波数を使ったり、万人に心地よいと思わせるようなメロディーを作り、
且つ注意を喚起しながらも駆け込み乗車を減らすという、非常に難しいプロジェクトでした。
ベルからメロディーに変わったときは、なかなか好評で、駆け込み乗車も減ったそうです。
しかし、あれから20年余り。
再び、駆け込み乗車の話題が出てきたのです。
しかも、「駆け込み乗車の原因は駅メロである」と。
クリエイターたちは、こう言われてはたまらないですよね。
確かに、駅メロは駆け込み乗車の合図になり得るかもしれませんが、
それは駅メロでなくても同じことです。
笛だろうと、ベルだろうと、声だろうと。
いわゆる、パブロフのイヌの古典的条件付けと同じです。
「何か鳴ったら、電車がくる」
そういうことです。
今年の1月からJRでは駅メロをなくして、駆け込み乗車が減るかという実験をしています。
果たして、どうなることやら。
私の意見としては、決して駅メロが原因なのではなく、
条件付けされているに過ぎないわけですから、いわば「何でも」駆け込み乗車は起こりえます、ということになります。
JRの実施している、駅メロ廃止実験はむしろホームの雰囲気を冷たいものにしないか危惧しています。
できることなら、恒常的にBGMをホームで流して、その音楽に少し変化を持たせていく。
これであれば、ホームの雰囲気もよくなり、かつそれほど駆け込み乗車を助長することはなくなると思います。
人は、無音から音が発生するとドキッとしますよね。
ネットで突然音がなると、思わず閉じてしまうのと似ています。
しかし、通常音が鳴っている空間では少し変化があっても、違和感なく受け入れられるものです。
駅のホームで素敵なBGMが流すというのも一つの案としていかがでしょうか。
この記事を書いている人
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新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング(音で心を整える)をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある
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