モーツァルト効果の真相
フェルモンド齋藤です。
モーツァルト効果という言葉はおそらくこのブログの読者なら、
ご存じでしょう。
モーツァルトの音楽を聴くと、頭が良くなったり、病気が治ったりするという
アレです。
人間だけでなく、モーツァルトで育てたワインや野菜なんかも
話題になりました。
そもそもモーツァルト効果はなぜ、こんなにも話題になったのか。
それは、1993年にアメリカのラウシャーらが行った研究が、
イギリスの科学誌「ネイチャー」に掲載されたのが始まりです。
実際にどのような実験だったかというと、
36人の学生にモーツァルトの曲を聴かせて、その後IQテストをするという
ものでした。
その結果、実際に8~9ポイント上昇したため、大騒ぎになったのです。
その後、他の科学者によって追試がされたり、
それにラウシャーが反論して、再実験が行われたりと、
物議を醸し出しました。
最終的には1999年に再びネイチャー誌にて、メタ分析という方法で、
これまでのモーツァルト実験の検証が行われ、モーツァルト特有の
効果は認められないという結論になりました。
それでも、まだまだモーツァルト効果やモーツァルト療法に、
強くこだわりをもっている方たちもいるようです。
私はの意見はこうです。
「モーツァルトに限ったことではない」。
つまり、音楽には確実に人の感情を動かし、意志決定や思考回路に
影響を与えるわけですが、それはモーツァルトだけに限ったことではない
ということです。
自分が心を動かされるような音楽に触れたとき、モーツァルトでなくとも、
その効果を感じることはできるはずです。
モーツァルトのみにこだわった結果があのような、論争になったのだと思います。
ちなみに、そのときに使われたモーツァルトの曲は、
「2台のピアノのためのソナタ K448」です。
この曲は、当時ベストセラーにもなったそうです。
クラシックでは異例だったとか。
音源を探していたら、なんとペライラとルプゥーの演奏が
見つかりました。
もう少しで、のだめの映像になるところでした。
これで、IQが上がるかな。(違うか)
Mozart Sonata for Two Pianos in D, K. 448; 1st movement; Perahia & Lupu
この記事を書いている人
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新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング(音で心を整える)をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある
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