BGMの効果 その1
こんにちは。音環境コンサルタントの齋藤寛です。
今日からはBGMの効果についてお話しします。
今までBGMの効果についていろいろお話ししてきましたが、ここで少しまとめていこうと思います。
「なぜ、BGMをかけるのですか?理由は何?」
こう訊かれてすぐに答えられますか。
「BGMがないとおかしいでしょう。雰囲気作り?とか」
BGMの効果を理解して、効果的に演出するのは店長さんの仕事の一つです。
「音楽についてはうといから、若いもんに任せておくよ。」
だめです。そんなんでは。
「そんなに気にしてるお店ないよ。売上げが変わるとも思えないし。」
周りのお店がBGMの効果を理解していないだけなんですよ。
そもそも、周りがしていないからという理由は商売人としてはお粗末ですよね。
誰もしていないからこそ、実践していく価値があるといえます。
それから、売上げは必ず変わりますよ。BGMの効果をしっかり意識していれば変わってきますよ。
まず、BGMの効果の一つとして「マスキング」が挙げられます。
「マスキング」は憶えていますか。ある音(騒音)をある音(BGM)で隠してしまおうということです。
では、どのような時に「マスキング」が起こるのでしょうか。
二つの音の周波数が近い時にそれは起こります。
もっと細かく言うと、周波数がまったく同じどうしではなくて、少し低い周波数の音がそれより少し高い周波数の音を「マスキング」します。
音量はもちろん、大きい音が小さい音を「マスキング」します。
家庭でも「マスキング」効果が体験できます。
ドライヤーと掃除機あたりがわかりやすいでしょう。
電子ピアノがあるといいのですが、ピアノの音を掃除機の音より少しだけ小さくします。そして、一番高い音から低い方に向かって弾いていってください。どこかで、聴こえづらくなる場所があるはずです。
それが「マスキング」効果です。
実際の現場ではどのようにこの効果を使えばよいのでしょうか。
・お店が大通りに面していて車の騒音がうるさい
・継続的に発せられる機械音がうるさい
・タクシーやバスなどの商業車で車外音を小さくしたい
・となりんちがうるさい(これは違うか)
などなど、騒音と感じる音がある場面では工夫次第ではとても雰囲気が変わります。BGMの効果として「マスキング」効果は必ず憶えておきましょう。
次回もBGMの効果の続きをお話したいと思います。
それでは、また。
この記事を書いている人
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新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング(音で心を整える)をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある
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