色彩が音楽に影響を与える
こんにちは。音環境コンサルタントの齋藤 寛です。
これ何だかわかりますか。
「色相環」(しきそうかん)と呼ばれるもので、自然界の色の連なりを円状で表したものです。
前回は音楽を聴いて、色を連想するという話をしました。
今回は、色が音楽に及ぼす影響です。
少し、ややこしいですが、前回の逆です。
「赤」は何を連想しますか。
「りんご。」
……。
いやいや、そうではなくて感情や印象といった観点で捉えてください。
「じゃあ、情・、興奮、怒り、暑いとか。」
では、「緑」は。
「穏やか、平和、落ち着き、安らぎとかかなあ。」
そうそう、そういうことです。
もちろん人によって、バラつきはありますが概ねこんな印象が多いようです。
これを踏まえて、音楽と組み合わせてみましょう。
色を音楽と組み合わせる。
そうですね、それではピアノのコンサートで照明の色が変わると想定しましょう。
分かりやすいでしょう。
では、ピアニストにショパンの「革命のエチュード」を弾いてもらいます。
照明は、「赤」。
どうですか。想像してみてください。
続いて、照明を「緑」。
どうですか。
実験では、もっと多くの色を組み合わせました。
ここでは比較しやすいように対極にある「赤」と「緑」を選んであります。
結果はといえば、
「赤」を組み合わせると「革命のエチュード」の情熱さと相まって、
「音楽と色が合っている」との印象が強く、より「情・的、迫力のある」ものにします。
「緑」を組み合わせると「なんだか音楽と合っていない」、「迫力が失われた」との印象でした。
これは、音楽によっては逆となります。
ですから、お店のイメージカラーと音楽との相性はよく考えたほうが良いでしょう。
環境音楽が流れるような、自然あふれるお店のBGMに壁の色が真っ赤だったらどうでしょう。
なんだか複雑な心境になって落ち着きませんね。
狙いが半減してしまいそうです。
また次回。
この記事を書いている人
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新潟大学教育学部芸術学科でピアノ演奏と音楽心理学を専攻。音や音楽が人の感情におよぼす影響について研究する。飲食店やオフィスなど商用BGMに関するコンサルティング、ビジネス書、専門誌への寄稿、医療学会での講演、ラジオ、テレビ、雑誌などメディア露出も多数。BGMアドバイザーとして音楽を提供する企業への協力や、個人向けに音楽心理カウンセリング(音で心を整える)をおこなうなどその活動は多岐に渡る。
著書に「心を動かす音の心理学」がある
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